「卓人、悪いけど今日は山口先輩降ろせ。これから寄るとこあんだ。」 俺はそういった。 すると、一瞬顔をしかめた卓人だったがすぐ笑顔になって言った。 「分かりました。こっちこそ、そうとも知らずに無理矢理誘っちゃってすみません。」 ドアの鍵を開け、山口先輩はまるで逃げるかのように車から降りた。