とぼとぼ帰っていると、横を見慣れた車が通り過ぎた。 「…卓人?」 確かに今のは卓人の車だ。 あわてて振り返る。 ちょうど赤信号で止まった車は、会社に止めてある卓人の車に間違いなかった。 「…あいつ、帰るのか。」