「りんごむいてやるよ」

病室に入るなり
そう言って、
りんごを剥き始めた。

ベッドの横に果物置いてるから
元気でるように、って
してくれたのかな…

本当悠くんは優しいね…

「なんだ?」

私は悠くんの事をじーっと
見ていたらしく、
不思議そうに私の顔を覗く悠くん。

「えっ、あっ、いやっ」

私は恥ずかしくなり、
うつむいた

「ははっ、本当ひかるといると、飽きねーわ」

そう言いながら太陽のような笑顔で笑う悠くん。

「はい」

剥き終わったりんごを私に渡して、
椅子に腰をかけた

私はりんごを一口かじった
少し酸味が効いてるけど、
甘くて、少しドロドロしていた


「で…さっきいってたのなんかあったのか?」

私の目をみてたずねる。

「うん…あのね…」

ちゃんと…言わなきゃ…