教科書の量の
多さに、漠然と
立っていると、

「大丈夫か?」

と先生が聞いてきた。


「ぇ…?」

あたしは何の事か
わからず、

聞き返す。


「…や、だから
もう気分悪くないわけ?

心配してたんだぞ。」


先生が言った
意外な言葉に、

ちょっとドキッとする。


ぁあ。もう大丈夫です。

心配かけてすみませんでした。」

サボリだから
元々気分なんて、

悪くないけど。


「そっか。
なら良かった。

気をつけて帰れよ」


「はい。さようなら」

「おぅ。」


最後に失礼しましたと言って、

職員室を出た…。


谷先生って、

意外といいとこ
あるんじゃん...


あたしは少し
穏やかな気持ちに
なって職員室を
後にした…。


この時、

あたしは気づいてなかった…。


谷先生と2人きりで
話している様子を、

誰かが見ていた…、
なんて...


この時から、
次々とあたしたちを
襲っていく不幸が

始まっていったの
かもしれない…――