がたん、ごとん、一駅三分ほどの電車を三駅、乗る。田舎の電車にはのぼりにも下りにも帰宅途中の高校生で溢れている。スポーツバックを床にどかんと置いておしゃべりに夢中な男の子や鏡片手に前髪をいじってる女の子や、一般のお姉さんが怪訝な目線を送っていたり、たいてていそんな人が乗り合わせる。きょうも平和といえば、平和だ。

わたしは平凡にきょうもある程度、真面目に授業を受けて、必死にノートをとって点数を稼ぐ。
「~~~~~」アナウンスが流れ、乗換駅が近づいたことが知らされる。この路線は数十分に一本しか出ないので急がなくても大丈夫なのだが。

擦れた茶色のローファーが急かした女子高生にふまれた。髪の毛を気にしながら似合わない化粧を施した顔でにらんでくる。自分のことをかわいいと思っているのだろうか、あるいは自分は特別だと思っているのだろうか。だとしたらこの女は相当、頭がおかしいのだろう。

ドアが開き、階段を駆け上る。無意識に走ってしまう。みんながみんな、生き急いでいるみたいで、わたしはこの瞬間がとても嫌いだ。
どうして東京に生きるひとはこんなにもせっかちなのだろうか。