「ハァハァ…
ハァハァ…ゼィゼィ…」


どれくらい走ったのだろう…

気が付くと、ヴォイスから1キロ以上離れたデパートの前にうずくまっていた。


落ち着いてくるにつれ、みんながどうなったのか気になってきた。
それに、私は一体誰と逃げてきたのか…


「大丈夫…?」

優しく声を掛けてきたのはショウゴだ。
ボックス内は暗くて顔は見えなかったが、声はハッキリと覚えている。


「ほ、他のみんなは、どうなったの?」

そう言いながら顔を上げると、そこには見覚えのある顔があった!!


「あー!!
あなたは、駅で声を掛けてきた新聞記者!!」

何て事よ…
ショウゴの正体が、あの最悪の印象を受けたあの男だったなんて。

でも今は、そんな事を言っている場合ではない。

「他のみんなは?」


「分からない…
でも、ボックスからは脱出できたはずだけど」

そうだ。
ショウゴ…この新聞記者が、扉のガラスを割って何とか逃げられたんだった。


でもなぜ…?


.