女だ…
そこに立っている6人目は、間違いなく女だ。
顔の前に垂れ下がった髪の隙間から、薄ら笑いを浮かべた青白い唇…
胸の辺りまで伸びた長い髪がユラユラと揺れている。
しかし、その女を見据えていた私の目も、徐々に見えなくなってきた…
「私はここで死ぬんだ」
そう覚悟を決めた時、私の前を誰かが駆け抜けた!!
ガン、ガン…
ガシャーン!!
「よし、みんな急いで出るんだ!!」
ボックス内の空気が急に対流を始め、呼吸が幾分楽になった。
そして私は誰かに腕を掴まれ、扉の窓ガラスが飛び散った上を、引きずられる様にボックスの外に出された。
フラつきながらも振り返ると、リサもアキラが肩を貸す様にして出て来た。
「とにかく、早くここを離れよう!!」
私達は慌てて階段を使って外に出た。
そして、なるべく遠くに逃げようと、人波をかき分けながら夢中で走った…
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