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「……」

沈黙が苦しい。

流行のアイドリングストップって、こんなに静かなの。

…これなら濡れて帰った方がマシだったかもなあ。

私は窓の外を眺めながらため息をついた。


あの後。
威圧的に「乗れよ」って言われたから乗ったものの。

会話も無い静かな車内では、ワイパーの音すら鼓膜に響いてくる。



そんな時、唐突に佐々岡さんが口を開いた。

「家、どの辺?」