「ところで碧依さんはなんの仕事してるの?」
「ん?パティシエ」
だから甘い匂いがしたのか…。
1人で納得してる私に
「どうした?」
って碧依さんが聞く。
「なんでもない。碧依さん大好き!」
真っ赤になることを予想していたのに、その予想を裏切って優しく微笑む碧依さんに、私の頬のほうが熱くなった。
帰り道にまた涼しい風が吹く。
月が私たちを照らす。
私たちを繋いだのは袋の中の真っ赤な2匹の金魚。
先のことなんてわかんない。
けど、続いていくって信じたいよ。
今確かに感じるのは、繋いだ手の熱さだけ……。
END...