よし、言おう
今なら言える
「レオナ殿
どうか私の妃になってください」
言った、言ってしまった
僕は知っているんだぞ
レオナが僕に思いを寄せていることを
断る理由なんてないはずだ
さぁはやく答えを…
「……ごめんなさい…」
”えっ…
今、何と言ったんだ⁇
僕の空耳なのか⁇”
あの日から
ずっと君だけを見てきたというのに
なぜ断るんだ
レオナだって
僕を見ていただろ
知っているんだぞ
全て知っている…の、に
我に返ったときには
目の前には困った顔をしていた
レオナが僕の顔色を伺っていた
”なぜ、そんなに見ている”
ふと頬に違和感を覚えた
手をやると
濡れていたのだ
”僕は泣いているのか
なんて情けない男なんだ…”
そう思ったとたん
僕は駆け出していた
レオナは追ってはこなかった