「今までなにしてたの?ちゃんと働いてるの?」心配そうな目で僕を見つめていた。 「ちゃんと働いてるよ。この格好見てわかんない?」僕は汚れたニッカポッカを広げて見せた。 「(笑)へぇ、作業着似合ってるね。」 彼女が初めて笑った。僕の予想通りだった。 「よく言われる。」 「柔道はやってるの?」「いや、やってないよ。今は趣味で総合格闘技やってるよ。今流行りのね」 「ふぅーん、そうなんだぁ。辞めちゃたんだ。あんなに頑張ってたのに?」彼女は総合格闘技には興味なかったようだ。 「あっそうだ!今どこ住んでるの?」 僕はあまり言いたくなかったがここでウソをついていけしまうと彼女にもう逢えないと思った。 「笹塚!笹塚だよ!今映画で有名な」 「なんだぁ近いじゃん。私、代々木上原なんだ!笹塚だったら歩いて行けるよ!あと携帯の番号教えて!あとアドレスも」僕は彼女の携帯に赤外線送信をした。