ありがとう... 〜大切な君へ〜

扉を開けると拓がいた

また、寂しげな表情をしている

「た、拓...」

私は小さい声で拓を呼んだ

昨日のことを思い出して涙がでそうになる

「りか... 昨日はごめん」

拓は私の存在に気付き私のほうに近づいてきた

「いいよ 私が真実を知りたかったから」

「僕のこと嫌いになったでしょ 僕は死ぬんだよ 一緒になったってりかを悲しませるだけだよ」

拓がうつむく

私は拓の言葉にまた涙が溢れた

「拓は! 拓は私が絶対に幸せにするから!」

気がついたら私は拓に抱きついていた
「り りか...」

私の気持ちは決まっていた

好きになったときから

私は拓と一緒にいたいと

もちろんこれからもずっと拓といたかった

「拓 私ね大丈夫だから 私が最高の人生にしてあげる 拓は生きるんだよ!」

私は拓に精一杯の想いを伝えた

拓は死なない

拓は生きる

「りか... 僕はりかが好きだよ 幸せにできないかもしれないけど 初めて話したときからずっと好きだった」

拓が私を強く抱きしめ返す

まるでお互いを確かめるように

強く強く
まだ私たちは中学生

わからないことだらけだけど

それでも、私は誓った

拓と一緒に乗り越えると

今日から私たちは恋人同士

展開は早かったかもしれない

でも、初めからわかってた

私たちは結ばれる運命なのだと

でも、その試練は壮絶で苦しいものだった

私は拓と別れたあと本屋に向かった

拓の病気について詳しく知りたかったから

私は心臓病と書いてある本を見つけた

パラパラめくってみると難しい言葉ばかり

でも、私はその本を買った

拓のために

自分ができることはそれぐらいしかなかったから

私は家に帰りさっそく本とにらめっこ

「なにこの言葉...」

私は悪戦苦闘しながらも心臓病を理解していった
「あのね葵 話があるんだ」

次の日私は葵に付き合ったことを報告しようとしていた

「うん? なになに?」

葵は興味津々

「じ、実はね つ、付き合うことになったんだ」

葵はえって顔をしたまま動かない

「あ、葵?」

「う、嘘でしょー!!」

葵は大声で言った

周りの子達は私たちに視線を向ける

「葵声でかいって」

私は周りの子達に頭を下げる

「ごめんごめん だってあのりかが付き合うなんて」

「あのりかって酷いよ」

確かに私は恋愛に全く興味なかったけど

「で、相手は?」

「拓だよ」

「まぁわかってたけどね 良かったじゃん 見事恋が叶ったね」

葵がニヤニヤしながら言う

「ありがとう」

「おめでとう これでりかも卒業だね」

葵はまたニヤニヤ顔

「何が卒業?」

「え、処女」

私は顔が真っ赤になりながら葵の肩をたたいた

「馬鹿でしょ! まだ、中3だよ」

「なに照れてんのよ 付き合うってのはそいゆうことでしょ」

「わかってるよ」

もう葵てば

でも言えない

拓の病気のことだけは
「それでは終わります」

「さよなら」

今日も学校が終わり放課後

「帰ろ 葵」

私はいつものように葵の席に駆け寄る

「ごめん 今日数学の補習なんだ 受験生で赤点はやばいからさ...」

「そっか 頑張ってね じゃあね」

「バイバイ」

私は葵に手を振ると教室を出た

「さぁ... 今日は1人か」

廊下は静まり返っていた

みんな帰るのだけは早い

私はなんとなく家に帰りたくなくて気づいたら階段を上がっていた
立ち入り禁止の文字

ドアは微かに開いている

私は何の抵抗もなくドアを開けた

夏の風が涼しい

「あれ? 誰もいない」

拓がいると思ったのに誰もいなかった

ちょっと残念

「帰ろ...」

私は屋上をでた

そのとき

「た、拓!」

ドアの前には拓が立っていた

「りかやっぱり来てたんだね」

拓は微笑む

「りか 会いたかった」

拓は頬を染めながら言った

「私も! 一緒に帰ろ! 拓!」

「うん!」

拓と付き合って一緒に帰るのは初めて

なんかドキドキする

帰り道はたわいもない話で盛り上がった

拓の笑顔を見れて私は幸せだった

そして家についた

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