「いやあぁぁぁっぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!」

叫ぶ狂う莉乃だって、愛おしいのよ?

こんな莉乃を見れるのは、きっとあたしだけね。

嬉しい。莉乃、あたし本当に嬉しい。

あたしはにっこりと笑うと、莉乃の手をそっと掴んだ。

莉乃の指先からパラパラと髪の毛が布団に落ちる。


「こんなに抜けちゃって……。可愛そうに……」

「あっ……いやっ……あぁ……――」

「莉乃、あたしよ……桜よ。分かる?」

莉乃の頭を優しく撫でると、莉乃はようやく落ち着きを取り戻した。