保健室の扉を開けゆっくりとした足取りで莉乃の眠るベッドへ向かう。

階段から落ちたらしい好未の元へ向かったんだろう。

保健医はおらず、保健室の中にはあたしと莉乃しかいない。

保健室の窓の外では、駆けつけた救急隊員があわただしくタンカを下ろしている。


「……――莉乃?」

クリーム色のカーテンを開けると、そこには莉乃が眠っていた。

額に汗をかき、苦しそうに唸り声をあげる莉乃。

「可哀想に……。こんなにも苦しんで……。でも、大丈夫よ?あたしが悪いものはすべて排除したからね」


莉乃の乱れる前髪を指で整えると、莉乃がわずかに目を開けた。