ファミレスでトイレに抜けた間に、島田君を近くの公園へ呼び出し莉乃に合わせた。

三浦君が好未に気を付けた方がいいと話してくれたおかげで、莉乃は好未に不信感を抱いていた。

これ以上にない絶好のチャンス。

島田君はたどたどしいながらも、トイレで指示した通り中学時代好未がどれだけの悪事を働いたのかを莉乃に話してくれた。

話を聞き終え、莉乃は確実に好未への不信感を募らせていった。

もちろん、島田君が好未の同級生だというのはデタラメだ。

だから、好未が島田君をイジメられるはずもにない。

親友の彼氏を寝取ったという話も三股をかけていたというのも全てデタラメ。

あたしの好未への勝手なイメージ。

でも、遠い昔、『あたし中学の時、親友に彼氏を寝取られたんだよね……。しかも、その子のこと問い詰めたら逆切れされて悪口流されてみんなにハブられた。って、桜に言ってもムダか。アンタ、恋愛経験なさそうだもんね~』とかなんとか言っていた気がしないでもない。

興味もなかったし、聞き流していたけれど。

莉乃には自分の弱みは見せず、そんなことも言わなかったみたいだけど。

好未ってホント嫌な女。勝手にマウンティングして、自分よりもあたしを低いランクだと見下したからこそ自分の弱さをみせるんだから。

まあでも、嘘も積み重ねていけば、案外真実味を帯びるものだ。

好未の中学時代がどうであれあの子が莉乃の彼氏である翔君に恋心を寄せ、奪い取るチャンスをうかがっていたのは紛れもない事実。

好未のような女は、莉乃の友達にはふさわしくない。