あの時、僕が飛び降りていたら、
屋上には鍵が掛かっていた事だろう。


ミホは自分が飛び降りる機会を、
僕に潰されたく無かっただけ…
なのかも知れない。


それとも、
ただ純粋に僕を助けただけだったのか…


きっと、それも永遠に分かる事の無い問い。


境界線なんて何処にでもある。
誰の足元にも…

ほら、すぐ其処に。


ミホが飛び降りて間も無く、
屋上の扉に鍵が掛かった。


僕は開く事の無い扉越しに空を見つめ、
静かにサヨナラと空に告げ、
扉の前から去った。



誰もがこの世界で生きる術を探している。

心の闇に呑まれない様に…