美人なのに。


人気あるのに。


「なあ、聞いてんのか? あ?」


「聞いてます。すみません…」


「お前なあ、授業もロクに出ないくせに遅刻とは何様だ!?」


「すみません……」


「すみませんじゃねえよ! もう遅刻すんなって言ってんだよ!!」


「すっ、すみません! 以後気を付けます!」


「そう。分かればいいの。じゃあ、次の授業は絶対に出てね」



ころっと笑顔になる先生がよけい怖い。


「は、はいぃ」



と、曖昧な笑顔。


先生が女子更衣室から出て行き、一息吐く。


怖い。

怖すぎる。

何なんだあれは。



鬼か?

先生は鬼が島から来たの?


「やっ……ンッ!」


教室へ戻ろうとした私の横には理科室。


その科学的な部屋から、漏れる喘ぎ声。


何をしているのか、分かる自分が恥ずかしい。