夜中、家を抜け出して川原に行く。

夜って、不思議な感じがする。

怪物とか出てきそう。

特に今日は雪の日だから。

星や月が無くて、不思議。

あー、怪物出てこないかな。
怪物。

死神でもいいから。



「ねえ、それは誘ってるの?」



現れたのは怪物でも死神でもなく。

男だった。

しかもすごくカッコいいの。



「誘ってない…てゆうか、何もしてないのに、誘うってどうゆうこと?」


「雪降ってる夜にさあ。そんな薄着で胸元開けてたら誘ってんのかと思うけど。普通」


「なっ、違う! 誘ってない!」


私は急いで胸元の服を上げた。



「そ。アンタ、男に免疫くせによく夜に出てこられたね」


「…だって、明るかったから、出たいなあって思って……」

「……ガキ」


「うっうるさい! 帰る!」


「宣言しなくていいけど。じゃあね」