廊下には、2人の足音だけが響く。

繋がれた手と手。

途中で、たなかっちが、廊下を歩いてきた。

「おい、お前ら。どこいくんだ⁇」

「先生、美嘉が熱ありそうなので、保健室に連れて行こうと思って。
それに、俺も頭痛いんで休んでます。」
と、言った。嘘ついてどうすんじゃ!
と思ったけどま、いっか。

「おお、そうか。お大事に。」
と、たなかっちが言って私たちの教室に
入って行った。

頭がクラクラしてきた。

ガタンーーーー

その音がしたのと同時に、全身に
鈍い痛みが走った。

頬が冷たい廊下にくっついた。

そこでやっと実感した。

あぁ、私、廊下で倒れたんだ……。

「美嘉⁇ ……おい、美嘉、美嘉、」

どんどんと声が小さくなって行った。

そこで、意識が途絶えた……

ーーーーーーーー。

「これは、寝不足かしらね。」

ん? 保健室の先生の声。なんで⁇

そー思って必死に頭を働かせた。

あっっ、そーいえば私、倒れたんだ。

「そーいえば。通瑠君だっけ⁇
あんた、偉いねぇ。」

「な、何がですか⁇」

「いーや。なーんでもなーい‼︎」

「あ、そうですか。」

「この子の事、君、好きでしょ⁉︎」

ーーーーっっ‼︎‼︎‼︎‼︎

せんせー、何、言っちゃってんの⁇⁇

「えっ⁇……………はい。」

えーーーー⁇⁇⁇ …… ウソでしょ⁉︎⁉︎

「へー、やっぱりね〜。まぁ、彼女には
内緒にしてあげるから、頑張って‼︎」

内緒って、もうきいちゃったんだけど⁉︎

これから、顔合わせるの憂鬱だぁ〜。

もー、圭子ちゃん、余計なお世話〜。


佐藤 圭子 (さとう けいこ)

保健室のせんせー。通称、圭子ちゃん‼︎

まぁ、30代前半だしノリがいいから
生徒には人気者。

お昼休みは、友達と保健室に遊びに来て
いる。