「行ってらっしゃ~い!」
「…行ってきます」
「行ってきまーす!」

明らかに不機嫌な私と、相変わらず王子スマイルを浮かべ続けている涼太。
なんで私がこんな男と登校しなきゃなんないのよ…!!
ていうか、女子からの視線が痛いんですけど…

「どうしたの詩音ちゃん」
「…別に」

こいつなんかと一緒に登校したら、絶対ファンに目ぇつけられる!!

「私先に行くから!」

涼太の返事も聞かずに走り出した私。
これ以上こんな男と関わるのはごめんだし!


***

「はぁ……」
 
「どうしたのよ詩音、さっきからため息ばっかり」

「鈴ぅ~~~」

「ん、どうしたの?なんでも相談してよ」

「あのね、実は…」