「な、な、な、なんでここにあんたが・・・」

「え?詩音ちゃんのお母さんが彼氏だって言ったら入れてくれたんだよ」

「はぁぁ!?彼氏じゃないから!!」

私がそう言うと涼太は、いきなり私とぐっと距離を縮めて。

「歯向かったらお仕置き、って言っただろ?」

不敵な笑みを浮かべて、顔を近づけてくる涼太。
もうダメ!そう思った時。ガチャリとドアを開く音がして。

「詩音~朝ごはんできたわよ~!彼氏くんも一緒にどぉ?・・・ってあら、ごめんなさい、お邪魔だったかしら?」

「そ、そんなんじゃないから!!」

と、顔を真っ赤にしながら私は叫んだ。
お、お母さんのおかげで助かった・・・。危なかった。
涼太はというと。

「え、ほんとですか!!じゃあ、頂きます!!お母さんの手料理楽しみだな」

なんて、明らかにさっきとは違う王子スマイルを浮かべている。
そんな王子の皮をかぶった涼太に

「じゃあ、二人とも下に降りてきなさいね♪詩音、こんなに格好良い彼氏ができて良かったわね~」

なんて、ニコニコしながら1階に降りていった。