「いやぁー涼太王子、今日もすごいねぇ~」
 
「そうだね・・・でもさあ、確かにイケメンだけど私はあんまり好きじゃないなあ…なんか裏がありそうっていうか」

「そぉ~?まーあたしは陸以外に興味ないけどぉ」

陸とは鈴の彼氏。

「幸せオーラ飛ばしちゃって~!幸せ分けてよ~!」

そんな話をしていたら、担任の山ティーが来た。

「今日から11月だから席替えするぞー」

鈴の近くになりたいなーなんて思いながら、クジを引く。
 
「18番か・・・鈴、何番?」

「20番だよ!やったぁ~詩音と近い!」

「やったー!!」

「よし、全員引いたな。じゃあ席動かせー」

ガタガタと音をたてて、18番の席に移動する。

すると、隣に来たのは・・・。

「あ、中村さん、よろしくね。」

素敵な王子スマイルを向けてくる、涼太 様。

「………げっ…さいあ…」

「…さいあ?」

「あ、違うの!なんでもない!よ、よろしくね!」

思わず本音が…!今の、バレてないよね…?
ていうか、女子からの視線が痛いんですけど!
あああ~最悪だあ…涼太様ファンから絶対恨まれる…

なんて、悶々としていたら
彼は周りに聞こえないくらいの声で言ったのだ。

「放課後、空き教室に来い。誰かに言ったら襲うから。
…わかったな?」

「……は、い…」

…寒気がした。