~♪



透きとおるような声とピアノを背に、窓から外を見渡す。



辺りは一面真っ白。



「綺麗…」



呟きが聞こえたのか、ピタリと演奏が止まる。



「何かいいものでも見つけた?」



温かくて、優しい声色。



反応して、振り返る。



「うん。冬の景色って、綺麗だと思わない?」



「そうだね。真っ白に澄んでいて、汚れを知らない。まるで佐海みたいだ」



微笑んで席を立ち、こちらに近づく。



その姿に、思わず見とれたりして。