振り返った、私の部屋の扉に立っていたのは、肩で息をする、翔吾だった。 「しょ、ご…?」 何時間も、部屋でじっとしていたせいで出にくい声が、掠れた声となって吐き出される。 「美紅、助けに来た」 ふわり、と微笑んでその言葉を簡潔に告げる。 私が最も望んでいた言葉。 でも、待って。 「翔吾、まだ退院なんて出来ないんじゃないの…?」 背中の傷は、まだ癒えていないはずだ。 顔色は悪く、完全に回復したわけではないことを示している。