私が教室に入ると、一気にザワついていた。

女子はコソコソと喋っていた。

カナは、独りで座っていた。


私は声もかけれない、触れる事すら出来なかった。
そんな自分が惨めに思えた。


「はーい!みんなー席についてー!」
先生が来た。みんな自分の席についた。

授業が始まっても、みんな手紙を回してコソコソと話してた。カナは独り教科書もノートも広げていなかった。


授業が終わって休み時間になった。
その日は雨で外に出られなかった。

女子はまた喋っていた。
前を少し通った。

ベチッ!
私は女子の足に引かかった。

「痛っ...」

女子はクスクス笑っていた。

私は結構短気なとこもあり、すぐにキレた。


だけど、田舎のガキには勝てない。
ドスの効いた言い方で、自分を棚に上げていた。

振り返ったら、カナは居なかった。

私は教室を出て、カナを探し始めた。
私は大声でカナと叫んでいた。


渡り廊下の所に座っていた。

「カナ...?」
私はカナに近付いて、頭を触ろうとした。

パンッ!
「うるせぇよ!お前はあんな奴らに噂されて嫌じゃないのか?!みんなオレの事嫌ってんの知らねぇのか?!」

「えっ...」
私は驚きのあまり声が出なかった。
私が転校してきた日はあんなに仲良くしていたのに...
意味がわかんなかった。

「オレは両親に捨てられたんだよっ!」
震えた声で言った。今にも泣きそうなカナの顔が切かなった。


「私も両親に捨てられたんだよ...だから今ね、おばあちゃんの家に居るの。お母さんが私を捨てたの。」
私はその場で泣いた。

カナはびっくりして、私の肩をそっと抱き締めてくれた。
それも私より全然小さな体で。