なら、せめて、大学を出た意味をこの就活に、大学を出た意味を…。



いつの間にか、僕は眠ってしまっていた。
遠征で疲れていたんだろう。
僕は夢をみているようだ…、それは、走馬灯のようななにか。



「俺さあ、将来独立するために飲食店で授業するんだ!」

「まじ!?飲食店は厳しいぞー?」

「自分のやりたいことのためだったらそれくらい大丈夫!」


「やった!あたし△△企業内定もらえた!あたし向けのいい会社だったんだよねー。」


「やったぞ!!やっぱスポーツやってて良かった!!この商社は体育会系を好んでたしなあ!」




「ねえ、兄さんはなにしたいの?」


「え、僕?」


「俺はさ、将来教師になりたいんだ。そのために色んなコト勉強して、スポーツもやって全ての経験を活かしたい。」


「兄さんもさ、まだ目覚めてないだけでいいところあるよきっと。」






「ラット、そろそろ決まらなきゃやばいんじゃね?」


「え?まだアンタ決まってないの?」


「ラット君、なぜあなたはこの大学にきたの?」


「この大学でなにを学んだのか、そしてどう活かしていきたいのか。」



僕は、なんのために大学まで入ったんだろう…。



「初任給、月給二兆円。」

「その他の情報はなしです。」




………!!




「なお、新卒者のみを募集しております。」





…しん、そつ…?





そうか……。