次の日になり、私は教室で雅と喋っていた。
長谷部君は、机に突っ伏し寝ていた。

昨日のことが嘘みたい…
どうしよう。
まともに話せないよー。

「はぁ……」

私がため息をつくよりも早く、雅がとても深いため息をついていた。

「なによ…」

「いゃー、さっきから私の話しよりも長谷部君の方ばっか見て顔赤くしてさ、わかりやすくて呆れちゃう」

「えっえっ、そんなことないよ!ちゃんと聞いてるよ!昨日のTVにかっこいい俳優いたんでしょ?」

私は必死にごまかした。

「ちーがーう!!やっぱ聞いてなかったんだ。」

「うぅ…ごめん。なんだった?」

「もぉ!あのね、そろそろ夏休みじゃん!だから夏祭り一緒に行こ!」

「もぉ、そんな季節かぁ…いいよ!行こ行こ!」

「やったー!あっ‼︎浴衣強制ね!」

雅はニヤニヤとしながら言ってきた。

浴衣か、、何年ぶりだろ。
でも私、びっくりするくらい似合わないんだよねー…
雅は逆で、びっくりするくらい似合うんだよねー。
神様の意地悪。なんちゃって。

その時、ふと思った。

長谷部君は行くのかな…?
誰とかな…?

考えればかんがえるほど、虚しくなってきた。

だめだ、気持ちを切り替えよう!

心に言い聞かせて、雅と他愛もない話しをした。