「結衣?」

怪訝そうに眉を寄せる北河に

「ごめん、ごめん。だって、同じタイミングなんだもん」

ははは、とおなかを抱えて笑う

困惑している彼の表情がさらに笑いを誘って

呼吸困難になるんじゃないかってくらいに笑った

「あー、可笑しい」

おなか痛ーい

と目元の涙をぬぐう

「あのさ、結衣…」

真面目な話、しようと思ってたんだけど

と肩を落とす彼

「うん。ごめん。私さ、焦ってたんだよね、早く元に戻らなきゃって」

だからゆっくりでいいよって言ってくれる裕君に八つ当たりしたんだ

裕君にだけは、わかってほしかったからさ

「俺も結衣のことちゃんと考えてなかった。結衣は、ただ寝て起きただけなのに時間が進んでて、体も思うように動かなくなってて、なのにゆっくりでいいとか今のままでいいとか言われたら、そりゃ怒るよな」

だから、ごめん