「人がどこを魅力感じるかなんてその人次第だよ。女の子ってさ、見た目気にしちゃいがちだけど、ま、私もよくわかるから偉そうなことは言えないんだけどね。でも、結衣さんがさ、眠ってる間北河さんは逃げ出そうと思えばいつだって出来たんだよ。でも、彼はずっとそばにいてくれた」

それは、結衣は知らない北河の一年

「不安や不満があるならぶつけていいと思う。それでもお前だって言ってくれるとなんか安心できるじゃない?」

単純なんだけどさ

自分も似たような経験があるのかへへへっと照れた様に笑う

「一年半、待っていてくれた彼を信じてみるのもいいんじゃないかなー、というのが、一応人生の先輩?からのアドバイスです」

参考になるかわかんないんだけどねー

と天井を見上げて笑う彼女に小さく笑みを宿す

「先生は…すごく大切にされてるんですね」

「えー、そんなことないよ?結衣さんの方が大切にされてるよ。結衣さんが気付いてないだけでさ、すーごく想われてると思うけどなー」

だってさー、と指折り数えて例えを上げようとした彼女に

「先生、ありがとう」

と、飛び切りの笑顔で告げた