「裕君、毎日来てくれるから、本当はすごくうれしいのに、こんな自分でいいのかなって思ったら止まらなくて」

こんな、女の子としてなんの魅力もなくなった自分で

一年以上も待たせておいて

なかなか退院できなくて

ただ、ベットに座って彼を出迎えることしかできない

「私じゃない方がいいんじゃないかって」

裕にはもっと素敵な、彼を幸せにしてくれる人がいるのではないか

事故に会わない頃の自分だったら

その人に張り合うくらいの気概を持っていたかもしれないけれど

今は、何様だと自分自身が告げている

「それでかー、昨日北河さんが元気なかったの」

合点、と彼女が頷く

え、と視線を上げた結衣の瞳を優しく見返し

「ああ、実際彼に会ったのは私じゃないんだけどね。結衣さん覚えてるかな、うちの局にいた男の先生」

って、私と医局長以外男か