結衣の両親から聞いた話だと、結衣はあの日歩道で信号待ちをしていたのだそうだ

そこに突っこんできたのが信号無視のトラック

スピードがかなり出ていてブレーキが間に合わなかったらしい

かなりの大参事でニュースにもなった

もちろんニュースが紡ぐのは、事故の概要だけで

結衣が次の日、北河との記念日だったこと

あの日、記念日用にと会社帰りにいつもとは違う駅で降りたことは北河達しか知らない

そして結衣は「危険な状態」を脱し、「いつ目覚めるかわからない状態」になった

変化のない結衣の状態に何の希望も見いだせ無かった北河は、暇があると結衣の病室に行くようになった

それこそ休日もすべて

その時もベッドの横の椅子に腰かけ、ただ眠り続ける結衣を眺めていた

ああ、少しやせたな

そうぼんやりと思いながら