真っ黒な瞳がふと細まり、とても綺麗に光を反射する

「ありがとう」

彼女、大草結衣との出逢いだった

結局その日はスズランの花言葉どうのという話題には触れず、

ただサービスのカフェラテをもらって終わってしまった

でも、それ以来結衣とはよく話をするようになった

いくつかある行きつけの店の中で結衣がいたために、

あのカフェがぶっちぎりで利用率を上げたのは言うまでもない

気が付くと足が向いていたし、

気が付くと横に仕事を終えた結衣が座っていた

結衣は近くの大学に通う4年生で就活が終わり、

卒業までということであの店でバイトをしていたのだそうだ

北河には気が付いていて、二、三回顔を合わせたころから気になっていたらしいが、

どう声をかけたらいいか分かたなかったらしい

「だからね、あの時裕君のカフェラテが薄くなってるのみて、チャンスだ!!って思ったんだよねー」