私は慌てて起き上がって道路に走って行った。



拓海くんはそこから前方へかなりの距離を飛ばされていて。



駆け寄ると意識はあるみたいでホッとした。

「大丈夫?」

私は倒れている拓海くんを起こすように抱き抱えた。

「…うん。なんとか」

弱々しいながらも拓海くんはそう答えてくれた。

「今、救急車を呼ぶから」

私は慌てて家に戻ろうとしたけど。

その手を拓海くんはギュッと握って

「…僕の言った事、覚えてるよね?」

吹っ飛んで全身痛いはずなのに、私は掴まれた手を振り払えなかった。



早く、救急車を呼ばないと…



拓海くん…?



私は拓海くんを見つめた。