拓海くんが向かった先は山だった。

くねくねと曲がりくねった道を難無く走り、頂上付近には展望台がある。

駐車場には何台か車も停まっていたけれど、空いたスペースにバイクを停めた。

「さ、行こう」

拓海くんは私の手を握りしめた。

体温が伝わってくる。

吐く息は白く、かなり気温が下がっているのがわかる。

私は身震いをして付いて行った。