ん?



でも。

ちょっと待って!

拓海くん。

なんか、慣れてない?



「う〜っ?」

急に唸ったから拓海くんはピタッ、と動きを止めて。

「…なんか問題でも?」

怪訝な顔をして拓海くんは私を見つめる。

「…拓海くん、初めて?」

その瞬間。

拓海くんの顔が真っ赤になって

「…何でそんな事、聞くの?」

「なんか、慣れてそう…」

私は拓海くんの目をじっと見つめた。
ちょっと疑いの目。

拓海くんは髪をかきあげて

「初めてだよ!」

と、少し怒って人差し指で私の額を突いた。

「慣れてそうって、真由ちゃんは初めてじゃないの?」

今度は拓海くんが疑いの目を私に向ける。

「つ…付き合ったのも拓海くんが初めてなのに、あるわけないじゃない」

私は頬を膨らませた。



「もう、今日は許さないから」

拓海くんは私の膨らんだ頬を突いてそう言った。