――声が、聴こえたんだ
ピピピ、ピピピピ…
ガチッ!
無理矢理、目覚まし時計を止める。目覚まし時計は無惨な音を立てて鳴るのを止めた。
「いつまで寝てるつもり、カイト」
ガバリ、と俺の掛け布団は剥ぎ取られた。俺は掛け布団を剥ぎ取った奴を睨む。
「……何でここにいる、ミュラ」
「あんた今回の仕事のペア、私なの忘れてない?」
黒のジャケットにショートパンツ、ニーハイを身につけたミュラは、俺に掛け布団を投げ付けて言った。
…そういえば、忘れてた。
「忘れてたでしょ」
「何故よりによってお前なんだ」
「知らないわよ。先輩に聞いたら?もしくはジャンに」
ミュラは勝手に俺のクローゼットから、仕事着の黒のマントを取り出し、またもや投げつけてきた。何故投げる。