『ピーーーーーーーーー』
「午前10時32分… お亡くなりになりました」
アタシの恋人、明人が、癌で死んだ。
あんなに、幸せだった時間が
あの、恐ろしく、長く、耳が痛くなるほど大きな音で
ピーーーーーーーー って鳴った。
その音を、忘れる事はきっとできない…
明人を失ったアタシには、絶対にできない。
「穂ちゃん… 明人がコレを…」
明人のお母さんがアタシを呼ぶ。
もう、明人のお母さんは覚悟ができていたのかなぁ…
「はい… ありがとうございます」
明人のお母さんからもらったのは、手紙
明人が書いたのかなぁ…。