璃乃さんの一言で周りにいた先輩方が一斉に振り返る。きゃー!璃乃さん内緒ですってば!
私の慌てた表情に気付いた璃乃さんがニコニコ笑ってる。
「隠すからこういうことになるんだよね。もうぶっちゃけちゃえ~♪私も隠すのやめた!」
そう言って璃乃さんはおもむろに扉を開けた。そこに居たのは……………
「龍くん!?」
「よっ……」
軽く手を上げて…カッコいい。…じゃなくてっ!なんでここに!?
しかも一人じゃない。もう一人龍くんの隣りに立ってる人、璃乃さんの彼!?二人とも高校生に見えない。背が高くてモデル体型…並ぶと絵になるなぁ。…………でもなくてっ!
なぜ二人とも制服!?
「ちょっとどういうこと?なんで………高校生だよね?ええっ?」
先輩方のうろたえようったら…………えっと、どうしよう。
「こっちが私の彼でっす♪高校三年生なの」
璃乃さんが彼の腕を取り大声で紹介してる………凄いです。尊敬します。
「璃乃さん!?えっ……六つ下?うそっ」
そんな声も知らん顔。驚く先輩方の後で婦長だけが渋い顔。
「で、こっちが………南ちゃんの彼でっす♪皆ご存じの片岡くんで~す」
「その節はお世話になりました」
いや、呑気に挨拶してる場合では……。
「南ちゃん、帰ろっ」
にこっと微笑む龍くんの笑顔にはなんの迷いもない。でも………
「でも私仕事………」
「今日は璃乃さんに替わって貰って上がりなさい」
「婦長……」
璃乃さんもうんうん頷いてる。
「じゃあねライト」
「あぁ、頑張って」
「後でメールする」
「待ってる」
なんか釣り合わないんじゃないかって心配してらしたけど、普通に恋人してますよ。美男美女でとてもお似合いです。