病院の側のワンルームの賃貸マンション。そこが私の住まいです。
今日は彼が遊びに来ています。ベッドの上に寝そべってピンクのクッションを抱いている彼。彼曰く、フワフワ具合が私を抱いた時に似てると。
「ねぇねぇ南ちゃん。クリスマスプレゼント何がいい?」
「プレゼント?」
コーヒーを飲む手が止まります。いまだかつて男の子とクリスマスを過ごした経験がない私。プレゼント!?上げるだけじゃなくて貰うの?ねだりたいものなんかありません。むしろもうそこに彼がいるだけで十分。
「お~い。南ちゃ~ん?」
「いや、あの………龍くんが居てくれるだけで十分…です」
二コ下の高校生三年生。
背が高くて、爽やかで(爽やかっていうと怒るんですけど)今時のイケメン高校生。なんでこんな素敵な人が私を選んだのか未だに分かりませんが……。
三年なのになんでこんなにのんびりしてるのかといえば、もうサッカーの推薦で入る会社が決まってるそうで……春からはれて社会人になります。
ちなみに、先輩ナースの璃乃さんの彼も高校生で龍くんとはクラスメート。向こうは進学するそうで受験の追い込みで忙しいみたいです。
「そんなんじゃプレゼントになんないよ」
「……ごめんなさい」
ベッドに起き上がってぷーっとホッペを膨らませてるのがとっても可愛くて。思わず私も笑ってしまうんです。
「南ちゃん?」
おいでおいでと手招き。近付いて行ってベッドに腰を下ろすと、後ろからぎゅって抱き締めてくれる。
「フワフワ~♪」
幸せそうな彼の声。付き合って半年、彼とはまだその………キスまでしかしたことありません。
告白された日、ずぶ濡れの彼を家に連れて来てしまったけど……濡れた制服を乾かしてる間、抱き締めてきた彼の体がすごく熱い事に気付いて……