「うっわ、寒みぃ!」
電車から降りた私達の車内の温度に慣れた体に冷たい風が吹き付ける。
走り去る電車に巻き上げられるスカートを押さえながらライトを見る。
またもやジャケットの襟を合わせて大きな体を縮めてるその姿が可愛くて、少しでも暖が取れるかな~なぁんて考えながら腕を絡める。
「ふふっ、ちょっとはあったかい?」
「ん~……こっちのがきっとあったかい♪」「きゃ……っ」
ガバッと肩を抱かれてライトの胸に引き寄せられる。
「な?やっぱこっちのがあったかいだろ♪」
ホワッと笑ったライトの顔が可愛くて愛しくて胸をコチョコチョされてるみたいにくすぐったい。
私達は人目を憚ることなくぴったり寄り添ったままゆっくり町中を歩いている。
この間までこんなの全然考えられなかったのに不思議……
「んで……どうする?」
「そうだな~。チェスト見て……」
「そんなの置いたら狭いじゃん」
「だってライト服沢山持ってるじゃない。今だって溢れてるのに……」
報告。私達、同棲します♪結婚するまでの間、やっぱり片時も離れてたくないからってライトが言ってくれて……。当面私のアパートに二人で住んで、後々もっと広い所を探すつもり。
「小さいやつでいいよ」
「え~?入りきる?」
「なんとかなんだろ。だめならアキノの服減らせばいんだし」
「えっ、うっそ~ダメダメ!」
「あれ?璃乃だよね」
突然後ろから名前を呼ばれビックリして振り向くと、そこには見覚えのある女の子二人が立っていた。
「真理、えっちゃん?」
「そうだよ。うわビックリ!なんか璃乃ったらこの間の同窓会で会った時より綺麗になったんじゃない?一瞬分かんなかったよ」
「そんなことないよ~?」
「マジマジ。でも璃乃ケンイチと別れたって聞いて心配してたんだけど……」
「ちょっ…真理!」