「ホントはさ。こういうのは正式に渡せばいいんだろうけど俺タイミング逃しちゃって………ちょい目ぇつぶってて」
「?」
よくわからないけど、ライトに言われた通り素直に目をつぶった。
首に回した手にライトが触れる。
「いいよ」
「え?何?」
ライトはスルリと私の腕から抜け出して立ち上がると、そっと私の手を取る。
「なかなか一緒に行く時間取れなかっただろ。でも一刻も早く渡したかったから……ほら」
「あ…うそっ!これって……」
ライトの大きな手に包みこまれた私の手の指にしっかりはめられていたもの、それは………
「エンゲージリング!?」
「そっ。サイズぴったりだな。さすが俺♪」
私の左手の薬指で光るそれは、小さなダイヤが入ったピンクゴールドのデザインリング。
「うそ~……嬉しい~。ライトぉ!」
もうたまらなくなってライトの首にダイブ。それをしっかりと両腕で抱き留めてくれた。
涙が溢れて止まらないよ。渡す順番なんかどうだっていいよ。口約束だけじゃない。しっかり私はライトの婚約者ですって証しだもん。嬉しくないわけがないじゃない。
「ありがとう~。私……ライトを信じて待てるよ。その日が来るのをずーっと待ってる」
「うん。俺もアキノ待たせすぎないように最短で夢叶えるからさ。だから……信じて」
「うん!」
もう大丈夫。なにがあってもライトを信じれる……
汝、水谷光は佐藤璃乃を妻とし生涯愛し続けることを誓いますか?
-誓います-
汝、佐藤璃乃は水谷光を夫とし生涯愛し続けることを誓いますか?
-誓います-
私達はそっとキスを交わした。
協会で愛を誓う時のように――――――