「返事は?聞かせてくれないの?」
「………~っ」






一生懸命言葉を発しようとするけど、唇が震えてうまく喋れない。




「う~……っ、は…い………っ」
「マジ?やった!」





涙で滲んでライトの表情なんかよく分からないけど、あったかいライトの腕の中に抱き締められた感覚が、あぁ喜んでくれてるなって伝わってくる。



「俺人生のうちでこんなに嬉しかったのこれで二回目!」
「?」


「一回目はアキノが俺の彼女になってくれた時。二回は俺の嫁さんになってくれるって言った今!」


「うん…うん!」
「なんだよひでぇ顔!ほら涙と鼻水拭いて」
「え~ん、だってぇ…………」






ライトに渡されたティッシュで涙を拭いて鼻をかむけど……止まらない。体中の水分が出てますって感じですぐに使ったティッシュが山盛り。





「でもアキノには幸せな気持ちもたくさん貰ってんだよ?」
「え?それは私もだよ?ライトには数えきれないくらい貰ってるもん」





この状態じゃライトの胸しか見えないけど、首を振ってるのが分かった。





「いや、俺の方がたくさん貰ってる。両親共働きで俺一人っ子だろ?ずーっと孤独だった。今まで彼女出来てもすぐ飽きるっつーか…執着できなかったんだよな。でもアキノは違った。俺に居場所をくれた。安らぎも安心も……なのに肝心の俺はアキノを不安がらせたり泣かせたり、挙句胃に穴開くくらい悩ませて………さっきおふくろにメチャメチャ叱られた。あんなに怒られた事今までなかったかも」





ハハッと笑って体を放す。今度は見上げるとまともにライトの顔が見える。