微かに頬を染めて嬉しそうに笑う婦長がなんだか恋する乙女に見えて……失礼かもしれないけど凄く可愛かった。
「待ったわよ~。主人が一人前になるまでね。でも彼もちゃんと私との事考えてくれてたし、未来に不安はなかったわ」
「おふくろのろけ過ぎ。顔がだらしない……」
ライトの言葉にホホホと照れ笑いをしながら咳払い。こんな婦長を見たのは初めて。
「だから私達はこの事を知った時自分の息子にも『結婚まで考えていて一生涯愛するその覚悟ができているなら、自分の力でお金を貯めなさい』って約束させたのよ。彼女と自分を繋ぐある事に使うお金をね」
ニコニコ笑ってポンと私の手を一叩きすると立ち上がる。
「私達は二人の事応援してるわよ。ライトなんか人間としてまだまだだけど、信じてあげて。
待ってるわよ。未来の私の娘さん♪」
「ふ婦長!?」
婦長はヒラヒラ手を振って病室を出て行った。
「だからバイト………してたの?」
「そゆこと」
ベッドの縁に腰掛けて顔をこちらに向ける。はたと目が合う。真剣だって私にも伝わって来る。
「大学も試験もストレートで合格するからさ。一人前になるまで待ってて欲しい」
「ライト…………」
「この先一生涯アキノ以外を好きになることは絶対ないから。誰にもなびかない。だから………」
切なそうに細められた瞳に見つめられてトクントクン……私の心臓が鼓動を始める。
「アキノ…」
「ん?」
「俺と結婚して下さい」
「!!」
ストレートに気持ちを伝えてくれた。ライトらしいシンプルなプロポーズ。
胸がいっぱいで涙と一緒に幸せが溢れ出す。
ライトいいの?本当に私でいいの?