無言で窓の方へ視線を向けるライトの横顔もオレンジ色。眩しいのか目を細めるその表情は穏やかで、私の心をホッとさせる。
私やっぱりこの人好きだぁ。
周りがどう思っても常識がどうでも私の心が身体が細胞の一つ一つがライトでいっぱい。
「バイト……休んだんだね」
「あ~無断欠勤じゃねーよ。カズに変わって貰ったから。無理やりだけど」
「そっか……」
私は前に聞きたかったけど聞けなかった事を思い切って切り出してみた。
「ねぇ……」
「ん~?」
「何でバイトしてるの?」
「………気になる?」
「うん…前聞けなかったから」
「どうしょっかな~♪」
いたずらっ子の横顔で、チラッとこっちを見て私の反応を伺ってる。
もしかして茶化してる?
-あ……-
フッとその表情が柔らかくなったのがわかった。右側に流れた長めの前髪の間から覗く瞳と目が合う。
「約束だから」
「?」
意味深なライトの言葉に、私はまだなんのことかわからない。
「条件つーか……」
「??」
「でももうすぐ目標額に届くから……」
「何の……」
-コンコン-
「失礼するわね。璃乃さん明日の検査なんだけども……」
「婦長…」
話の途中で病室に入って来たのは婦長。気のせいかな。なんだか態度というか雰囲気がよそよそしい気がするのは…………
「………で、お昼前には済ませるから」
「はい」
私が婦長と話してる間、ライトは何故か不機嫌そうにベッドに腰掛けて婦長に背を向けていた。
いくら話の途中だったからってそれはないんじゃないの?(汗)
「…ということでよろしくね」
「わかりました。ありがとうございました。…ちょっとライト。私お世話になってる方だよ?態度悪いよ」
堪り兼ねて、ライトのシャツを引っ張った。