本人はケロッとしてるけど………怪我人を放ってはおけません。看護師としては。





「見せて」
「いいって」




若干抵抗する彼の手を強引に掴むと患部を確認する。
よかった。縫うまでの傷ではなさそう。






「お礼に手当てさせて。うち近くなの」







見知らぬ男を自分のアパートに誘うなんてシラフじゃ有り得ないけど。一人は寂しい。彼が好みなせいもある。そんな思いにお酒が手伝って私は大胆に、無防備になっていた。






「え……いいよ。こんなの」
「ダメ。ばい菌入ったら大変」





ウルウル目で見上げ、腕を取る。そして彼はじっと私の目を見つめ『ん~………』と何かを考えてから『わかった』と頷く。







それから二人でタクシーに乗り込み、私のアパートへ。手早く傷の処置を済ませると、あとはまったり。そして安心して酔いが戻った私は………………彼と案の定な結果となる。

どんないきさつでとか、どんなことがあったとかほとんど記憶にない。
ただおぼろげに覚えてるのは彼の肌の感触と甘いキス、それから今まで経験した事がない気が遠くなるような快感。それに溺れた私は彼を夢中で求めた気がする。




















翌朝、目覚ましの音で目を覚ます。二日酔いでガンガンする頭を押さえながらベッドの上に起き上がると………全裸。はぁっ!?と横を見ると……スースー寝息を立てながら眠っている昨晩の彼。






-あ~っ!夢じゃなかった~!!男の子お持ち帰りしちゃったよぉ。恥ずかしいっ!!-



二日酔いなんかぶっ飛んでメチャメチャ動揺する。その気配に気付いたのか『ん………』と彼の体が動き、ゆっくり瞼が開く。気怠そうに伸びをしてふと目が合う。その仕草が余りに何ていうか…色っぽくて思わずドキッとしちゃった。





「おはよ……」





私の顔を見てにこっと笑顔を見せる。あれっ?私はなんだかその笑顔に違和感を感じた。