ボールは叩きつけられた後…勢いよく跳ねて転がるはずの音が…突然遮られたのに気づき振り返った先にお嬢さんが仁王立ちで立っていた…。



たんこぶに絆創膏をはりボールを持ちながら睨みつけてきた姿に吹き出しそうななるのをこらえ…そっけなく返事を返した後…ふわっとあの日溜まりの風を感じ思わず彼女の身体を壁に叩きつけ身を捉える。



――ちゃんと……確認したい……!!



ぐっと近づけて……彼女の唇があたる寸前で……記憶の片隅に響いた声……。