大きい声を出したつもりだけど
彼の耳にはイヤホンがしてあって聞こえないのだろう。



それも、ムカつく。




仕方ないから彼の耳から
イヤホンを外す。







『……ん?何』




『初対面の人にバカって何ですか!』




何でもいいから反撃したかった。
私はそういう性格だ。




『あはは。何?根にもっちゃった?』




バカにするような笑いに
ますますイラつくばかりだ。




『そもそも、貴方誰ですか?
話したこともない人にバカって言われる筋合いはないです。』





『え、そう捉えちゃった?
ごめんね、心配しただけだよ。ボーッとしたアホな顔してたからさ。』




『はあ?』