「…あの、」


「は、はいっ」


情けない…。俺も投げられるんじゃないかって、声が裏返ってしまった。


しかし俺の予想を反して、美人な顔の女の子は、


「真由の事、助けてくれてありがとうございました」


なんと、お礼を言ってきた。


…いや、実際俺は助けたんじゃなくて、大学生とあなたとの喧嘩を見てただけなんですけど…


「俺は何もしてないよ!それより、凄かったね、さっきの。何か習い事でもしてるの?」


これじゃあナンパみたいだ。逃げられるな、これ。


しかし彼女は、


「まぁ。護身術とかは一通り…」