「そっかぁ…じゃあ先にい・・・」

かほの言葉のまま進もうとしたそのとき、

「ごめん遅くなった!」

背後から聞き覚えのある声が届いた。

「おぉ、来たかこーた!丁度今進もうとしていたんだよ」

振り返るとそこには同じクラスの岩崎(イワサキ)くんがいた。

黒いコートに身を包み、首には赤と黒のチェックのマフラーを巻いている。

「え、兄貴いつからそこにいたー?」
「うわっ、ひどっ!てか、初めからいたっつーの!」
「兄貴の存在感薄過ぎー!」

じゃれあう慧太さんと岩崎くん。
ん?・・・兄貴?

「えっ?兄弟っ!!?」

「「うん、そーだよっ」」

・・・・・・・・・・・・。
うん、息ピッタリだね。
さすが兄弟…

「そ、そうなんだぁ~」