『今日のかほも可愛いな!』
『もう、彗太っ///』
嫌でも帰れないじゃん…
「・・・ということだからさ、今日はかほのためと思ってカンベンしてよ!」
なつきが耳元でそう囁いてきた。
少し前を歩くかほの幸せそうな横顔を見ていたら、嘘を吐かれたことへの怒りなんて消えてしまう。
「・・・うん。」
私なんかにふたりの幸せを邪魔する権利なんてない。
それに、かほがこの間「やっと付き合えた」って言っていた人なのだろうし…きっとこれが初デートなんだと思う。
『萌乃ー!早くー!!』
「はーいっ」
六人の影の後ろに付いて、たくさんの幸せそうな笑顔が溢れるフラワーガーデンの中へと入っていった。